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それでも、警官は微笑う [本]


それでも、警官は微笑う (講談社文庫)

それでも、警官は微笑う (講談社文庫)

  • 作者: 日明 恩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/07/12
  • メディア: 文庫


警察小説にしては人情の厚い小説という感じでしょうか。
酷薄という印象の刑事はこの物語の中には出てきません。
物語の序盤に警察と麻薬取締官の立場上の違いから諍い
に発展しそうになるのですが、これがそうならない所が
ポイントでしょうか、全体的な雰囲気としては。
 密造拳銃を追い続ける武本刑事。
無骨で曲がったことが嫌いで事件を徹底的に追い続ける
タイプで、厳つい外見とは逆に、自らに非があると感じる
時には素直に非を認め謝罪するというタイプ。
 犯人逮捕に対する執念は凄まじいものがあり、立場や
組織を超越して行動してしまうタイプ。
 又、武本とキャラとして対極というのがコンビを組んで
いる潮崎刑事。有名な茶道の家元の出でありながら警察の
現場を希望した変り種。とにかくよく喋る刑事。
一見、ひ弱で浮ついた青年のように感じさせるが、彼なり
の捜査方法で犯人逮捕に前向きの姿勢は、武本に通じる部分
がある。武本自身は潮崎を持て余している感じなのだが、
実は潮崎のほうが階級は上、要するに上司。
 このコンビが犯人を追い詰めていく様が物語の軸になって
います。
 物語の中の事件の展開もいいのですが、やっぱりこれは
このコンビを中心にした、それを取り巻く人々とのやりとり
がいいですね。
 結局、主犯の男は逮捕されずに生きているのか、死んだのか
も明らかにしないままでの終結ですので、そうした意味でも
読み終わった後に残るのは登場人物たちですね。
 ただ、個人的な好みとしては少し迫力に欠けたかなという
印象も残りました。刑事や麻薬取締官らが人が良いというのが
かえってインパクトを弱くしてしまったかなっていう感じです。
 良くまとまりすぎたかなぁっていう感じです。
あと、麻薬取締官である宮田が守ろうとしていた女の終盤での
言動はちょっとサプライズでした。
 まぁ、物語の流れとしては決してナシの展開ではないんでしょう
けど命を張った彼に対しての答えがあれだと、彼が救われない
くて、物語に棘を残したかな。
 もちろん、これも読み手次第なのかもしれませんが。

 「それでも、警官は微笑う」のタイトルより、彼らのここから
先がどうなるのか見てみたいという印象も残りました。
 キャラが良いので個人的には続編も読みたい気がします。
続編がすでに出ているのか、出ていないのかは分かりませんが
少し期待したいです。

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