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チーム・バチスタの栄光 [海堂尊]


チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/10
  • メディア: 文庫



チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2007/11/10
  • メディア: 文庫



映画にもなったこの作品。
評判通り、役人白鳥の強烈なキャラが圧倒的な
存在感で読者の胸の中に飛び込んできますね。
主人公田口もキャラとしては味のあるキャラだと
思うのですが、その上を行く白鳥に食われてしま
いそうな勢いです。
心臓のバチスタ手術。成功率6割というハードルの
高い手術で32回連続で成功という華々しい記録を
残している桐生率いるチーム。
そのチームがある時を境に術死を続けて引き起こした。
手術の失敗が自分自身にあるのならば感覚的に判ると
断言する桐生は、この一連の術死に納得がいかずに
調査をあえて依頼する。
そこで調査のお役目として白羽の矢が当たったのが
不定愁訴外来を勤める田口。まったくの外科音痴である
田口がどこまで真相に迫れて、どんなタイミングで白鳥
が登場するのか、そしてどんな方法で犯人を突き止めて
いくのかが流れとしてのポイントでしょうか。
登場のタイミングとしては、とってつけたような不自然さ
は感じられず、登場するなり遠慮のない図々しさと、
徹底的な論理力で相手を圧倒して飲み込んでいく様は秀逸。
作中で白鳥をロジカルモンスターと呼んでいるところにも
その様子が現れている。
そんな白鳥が、衆人の目の中で殺人を企て、実行している
犯人をズバリ見つける辺りも流れとしてブレがなくてすっきり
としていて良い感触です。
ただ、もう少し紆余曲折というか二転三転する犯人説が持ち
上がった後の、解決という流れも良かったんではないかなと
いう思いも、後になってみると印象として残りました。
物語の中盤から登場する白鳥の圧倒的なキャラで物語の色を
染め上げられてしまった感もありますが、脇を固める登場人物
も決して無表情ではありません。いろんな顔を持つ人物が登場
して、キャラとしてはバラエティに富んでいるとも言えると
思います。院長と不定愁訴外来で看護士を勤める藤原さんあたりも
なかなか濃いキャラです。彼らのまだ若かりし日々がどんなんで
あったのかを見てみたいなと思えるほどに。ただそれを薄くして
しまうほどに白鳥の押しが強いんです。
舞台設定と登場人物、華々しい心臓外科手術とミステリーな流れ。
これらの要素がそれぞれを生かした形で、とてもドラマチックな
エンターテイメントになっている作品ですね。
そして、それらの中に作者の医療現場に対しての願いや展望も
刷り込まれています。
読み応えのある作品です。
映像としての、この作品はまだ観ていないんですけど、どんな仕上がり
になっているんだろう。
登場人物のキャラが濃いんで、どんなキャスティングで構成されている
のかがポイントかな。

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コメント 2

Sho

これはまず、タイトルがいいですよね。
でも当初は「チーム・バチスタの敗北」だったとか。
著者は現役の医師ですし、以前は確か大きな組織にいらっしゃいましたよね?そのあたりの「内情」というのが、ベースになってるように思いました。て、まだ読んでいないのですが。
最初映画を見ようと思ったのですが、未見のままおわってしまいました。評判を読むに、映像化は結構よかったようです。

しかし、医師で小説を書かれる方は、途切れることなく出てこられますね。「医学」と「文学」という対極にあると思えるものですが、ともに「人間」を扱うという意味では、非常に似ているのでしょうか。

とても面白そうなご本ですね。
by Sho (2008-09-18 09:39) 

joker

Shoさん。

栄光ではなくて敗北だったんですか。
確かに、最終的にこのチームは解散してしまう
んですけど、敗北よりも栄光のほうが何となく
良いような気がします。
作者は現役の医師ですね。大きな組織にいらした
んですか。それは知らなかったです。
ただ、物語の中でも出てくるAIの学会のメンバーだ
ったような気がしましたけど、違ったかな?

映像に関しては、評判は良いようですね。
原作の中では田口は男性だったのが、映画では女性に
変わっている辺りがどうなのかなというのが気になります。
で、白鳥役である阿部寛との絡みはどんな感じなのかな
っていうのも気になりますね。

医師で小説を書かれる方は多いですね、本当に。
それだけ物語の元になる事柄に事欠かないという事や
生と死がそこにあり、そこには様々なドラマがあるでしょうから
そうした現場での経験が筆をとらせるんでしょうか。
また、役所と医療の現場とのギャップなんかもあって、医師の
胸の内には声にならない声が溜まっているのかも。
それが活字として吐き出されているのかもしれませんし。
でも、最近では医師不足が問題視されて、現場での医師への
負担もかなり厳しい状況にあるなかで、こうして小説を執筆
出来るというのは、厳しい現場からは少し距離を置いたところで
お仕事されている方々なんでしょうかね。

by joker (2008-09-18 23:21) 

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